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車いすテニスを支えている人たちVol.2(後編)櫻井 健太さん (目白大学 保健医療学部言語聴覚学科 専任講師)



目白大学専任講師の櫻井健太さんは、さいたま岩槻キャンパスで体育講師の仕事をしている傍ら車いすテニスの活動をしています。車いすテニスを支えている人たちVol.2(後編)では、車いすテニスの人の印象や今後の活動について伺いました。



車いすテニスの人たちの印象はどうですか?

 最初は私もどういう気の遣い方をすればよいかわからなかったんですよ。車いすの人、いわゆる障害を持っている人ってことだから手伝うって言った方がいいのかなとか。でも早い段階から、テニスコートまで車を自分で運転して来ること自体普通にやっているから、そんなに補助とか要らないなということが分かりました。テニスコートに可動式スロープを置くのも鉄製の方がいいのかなと思っていたのですが、木の板でいいよみたいな。はっきり意見を言ってくれるので変に気を遣う必要はないなと思いました。

 性格にしても、車いすだから、立っているからとか関係なくいろんな性格の人がいるじゃないですか、普通の人たちと変わらないなと(笑)。障がい者像っていうのが私の中では皆さんと話すことで全然違うものに変わりました。


 ニューミックスをやる時は私も地域の人たちも、ずっとやっているから気を遣うわけでもなく、手加減するということもなく、分かってきましたね。車いすテニスは2バウンドまであるから、戦略を考えてドロップの落とし方とかも車いすプレーヤーの前だったら2バウンド目があるからここじゃだめだなとか、いろいろなことを考えながら。我々も一緒にテニスすることで、車いすテニスは何でああやって動いているのかとか、どこが難しいのかも知ることができたので、知識がとても広がりました。



車いすテニスと関わって影響や変化などはありましたか?

 それこそ見方とか変わったと思いますね。車いすだけじゃなく障害というものに対して、当事者目線で考えることも増えました。車いすだから助けなきゃいけないとか、もちろんサポートは必要でしょうけど、要らないお世話もあるだろうし、じろじろ見るとか見ないとか、前よりもなくなった気がします。外に出て一人で行動している人の場合はそうとう自立されているから、そんな特別じゃなくて危なそうな時だけフォローすればいいだろうなとか、そう思うようになりました。

 あとは、私の息子が病気で歩けなくなった時期に、埼玉県車いすテニス協会の人がわざわざ子ども用の車いすを借りてきてくれて、自宅で車いすの練習をしたり、鬼ごっこしたりしました。そういうつながりがあったから息子にもこのような体験をさせることができて良かったと思っています。

 


今後の活動について考えていることはありますか?

 まず一つ目は、今の活動の休日練習会と平日練習会のどちらでもいいのですが、一般のテニスしたい人を増やしたいなと思っています。できれば大学近隣のテニスプレーヤーの方に参加してもらって、車いすの方と一緒に打つ機会をたくさん提供したいです。それによって車いすプレーヤーの練習できる場所も増えるといいなと思いますし、そして年に1回か2回、交流試合を開催したいです。


 二つ目は、「彩の国 川越水上公園車いすテニス大会」にボランティアでは学生が参加していますけど、私は選手として大会に出たい!(笑笑)今年の大会では車いすに乗って車いすダブルスの下のクラスで出場して準優勝できたので、来年はシングルスでも出たいと思っています。車いすプレーヤーから何ゲームか取りたいんです!(笑笑)



 

 三つ目は、この活動を学生に還元したいです。大学内で交流会みたいなのが定期的にできるようになって皆でイベントなどもできると面白いですね。スポーツサポーティングの学生たちが皆さんの体に触ってコンディショニングするっていうのは実現できていますが、でもそれだけじゃなくて授業の中で皆さんの話を聞いたりして触れ合う機会をもっと増やしたいです。

 学生時代にこういう経験をして職場に出ていくことはとても良いことではないかなと思います。卒業生の中には社会人になっても練習会に参加したり、関わってくれている人がいるので、この活動をしていて本当に良かったし、ありがたいことです。このような学生がもっと増えてくれると嬉しいです。


 これは私の理想なんですけど、定年退職するまで30年くらいあるのですが(笑笑)、30年たったら今一緒にやっている人たちはほとんど引退するぐらいの年になっていると思いますけど、その下の新しい車いすテニス協会の人たちや私の活動にも賛同してやってくれる先生方がいて、我々はテニスを観に来て昔話をしたりとか、そういうのが何十年後にできているといいなと思います。



たくさんのお話ありがとうございました。素晴らしい活動をこれからも続けていただけると嬉しいです。 これからも車いすテニスをよろしくお願いします。

 こちらこそ、よろしくお願いします。


この活動についてのお問い合わせ】 

 櫻井健太 

 目白大学 保健医療学部言語聴覚学科 専任講師

 〒339-8501 

 埼玉県さいたま市岩槻区浮谷320

 TEL 048-797-2131(代表)

目白大学HP https://www.mejiro.ac.jp/



 取材に協力してくださいました目白大学さいたま岩槻キャンパスの先生方をはじめ、埼玉県車いすテニス協会、練習会メンバー、その他ご協力いただきました皆さんに御礼申し上げます。


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