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車いすテニスを支えている人たちVol.1(前編)ホルスト・ギュンツェルさん (スポーツサイエンスアドバイザー)



ドイツ出身のホルストさんは、40年以上の間、多くのアスリート達のトレーニングをサポートしてきました。車いすテニスのトレーニングもサポートしてきたホルストさんに、今回トレーニングについて聞いてみました。



現在の活動内容は?


 フィットネスクラブ“メディカルフィットネス マグノリア”(茨城県水戸市)でスポーツサイエンス・アドバイザーとして活動しています。


いつ頃から、車いすテニス選手を指導していますか?


 ドイツではテニスコーチ、日本ではテニス選手やその他、陸上競技や重量挙げ、野球(プロ/アマチュア)、空手、さらにBMXレースなどのアスリートのフィットネスコーチをしていました。

 2000年にTTC(吉田記念テニス研修センター)でフィットネスディレクターとして活動し始めましたが、その時に初めて車いすテニス選手のフィットネストレーニングの指導をスタートしました。TTCでは、ビギナーから世界トップレベルまで車いすテニス選手を指導していました。私たちはフィットネスコーチのチームとしてサポートしていました。例として国枝選手や斎田選手、真田選手、深澤選手、堂森選手などのトレーニング指導を行い、つねに男女とも世界トップと競うほどでした。

 そうした活動において、特に私自身が2005年から2014年までの期間、IWTA(国際車いすテニス協会)のコーチ委員会メンバーであったことで有効なサポートが出来たと思います。またマレーシアやタイ、インドネシアなどで開催されたITF(国際テニス連盟)とIWTAが主催する国際トレーニングキャンプには指導講師として派遣されました。

*IWTA(国際車いすテニス協会)は現ITF車いすテニス委員会の諮問機関



現在取り組んでいる車いすテニスのトレーニングについてお話しください。


 TTC退職後においても、大洗ビーチテニスクラブなどで数名の車いすテニス選手のトレーニング指導、キャンプや大会などで活動を続けています。現在は、ジュニア2名とシニア1名のトレーニングを週2回指導しています。



トレーニングに関して選手にアドバイスお願いします。


 ① 継続的なトレーニングが大事です。週5回トレーニングできる選手でも、わずか週1回のみという人でも、なるべく中断のない継続化が大切です。別個にフィットネストレーニングができない場合は、トレーニングをする時にテニスとフィットネスを組み入れることも可能です。その場合、敏捷性とスピードのトレーニングは必ずトレーニングの最初に行うようにし、筋力や持久力のトレーニングは最後に行うことが重要です。


 ② 車いすテニス選手は肩関節の柔軟性が重要なため、各トレーニングの前と後に適切なストレッチングが不可欠です。車いすテニスを始めるジュニアやユースは特に必要であり、可能であれば他のスポーツ(例えば車いすバスケット、水泳など)を取り組むことも良いでしょう。こうした多面的で能動的な動作は、車いすテニスに不可欠な動作コーディネーションの発達を促します。


 ③ これらのテニストレーニング、フィットネストレーニング、また試合には選手は自ら進んで取り組むことが大切です。





 次回、車いすテニスを支えている人たちVol.1(後編)では、実際の車いすテニストレーニングを教えていただきます。

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